普及版 字通 「孑」の読み・字形・画数・意味
孑
3画
[字訓] ぼうふら
[説文解字]
[字形] 象形
ぼうふらの形。〔説文〕十四下に「右の臂無きなり」とし、〔段注〕に「之れを引伸して、そ特立するを孑と爲す」とする。その反文(げつ)には「左の臂無きなり」といい、両字を対待の語とするが、字はぼうふらの象形。〔広雅、釈虫〕に「孑は(けん)(ぼうふら)なり」とするのがよく、の従う(けん)もまたその象形の字である。〔方言、二〕に「餘なり」、〔玉〕に「なり」とあり、〔詩、大雅、雲漢〕に「孑」の語がみえるが、その義は(げつ)、「ひこばえ」の意で、その仮借義。〔説文〕は字を了部十四下に属し、了を「子に從ひて臂無し」、孑をその左右臂のない形とする。了は「了」、すなわち「繚」にして、身をねじる形。ぼうふらが水中を上下するときの形が、孑である。
[訓義]
1. ぼうふら。
2. みじかい、小さい、ひとり。
3. と通じ、あまり、のこる、おくれる。
4. 戟(げき)と通じ、ほこ。
5. 傑と通じ、すぐれる、すこやか。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕孑 ヒトリ・スズロニ 〔字鏡集〕孑 ヒトリ・ミジカシ・アマル・スズロ・ヒトヘ・チチ・ノコル
[語系]
孑kiat、(傑)giat、ngiatは声近く、孑を傑・の義に借用することがある。
[熟語]
孑遺▶・孑義▶・孑▶・孑孑▶・孑然▶・孑余▶・孑立▶
[下接語]
句孑・単孑
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報