大学事典 「学士力」の解説
学士力
がくしりょく
bachelor attributes
2008年(平成20)の中央教育審議会答申「学士課程教育の構築に向けて」において,分野横断的に日本の学士課程教育が共通して目指す学習成果の参考指針として提案された。学士課程で育成する「21世紀型市民」の内容は,①知識・理解,②汎用的技能,③態度・志向,および④総合的な学習経験と創造的思考力の四つからなる。具体的な内容として,①では多文化理解,人類の文化,社会と自然に対する理解,②ではコミュニケーション・スキル,数量的スキル,情報リテラシー,論理的思考力,問題解決能力,③では自己管理能力,チームワーク・リーダーシップ,倫理観,市民としての社会的な責任,生涯学習力があげられている。④では批判的思考力(critical thinking)が内容として含まれている。答申では,これらの指針により各大学における学位授与の方針等の策定や分野別の質保証枠組みづくりを促進・支援するとしている。
著者: 小笠原正明
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報