孫兵衛新田(読み)まごべえしんでん

日本歴史地名大系 「孫兵衛新田」の解説

孫兵衛新田
まごべえしんでん

[現在地名]石下町孫兵衛新田

東仁連ひがしにれ川西岸に所在。東は左平太さへいだ新田。「飯湖新発記」によれば享保年間(一七一六―三六)飯沼新田いいぬましんでん開発によって生れた新田。新田開発の頭取の一人である三太夫(秋葉氏)の子、孫兵衛にちなんで名付けられ、享保一三年に勘定奉行筧正鋪の検地を受ける。同一五年の飯沼新田出百姓証文(秋葉光夫文書)に「貴殿御高内無地代ニテ中田壱反歩并居屋鋪之処弐畝歩、拙者方え永々所持ニ被下」とあり、入植者に中田と屋敷地を無償貸与するとともに「貴殿御田地之内年々下作仕、入上米沼並直段ヲ以年々引請下作仕」と小作させることを誓わせ、親類五人組を証人に立てさせている。天保九年(一八三八)の猿島郡結城郡岡田郡五十二ケ村農間渡世書上帳(同文書)によれば代官伊奈友之助支配の天領で、村高五四八石余、家数三二、人口一四三で、「但し五(ママ)道脇往還人足立場等ニハ無御座候えとも近道ニ付江戸往来人休泊并諸荷物津出し河岸場ニ御座候」とあり、飯沼川に河岸が置かれ、宿屋などもあり、人の往来で賑っていたことを示している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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