宇刈郷(読み)うがりごう

日本歴史地名大系 「宇刈郷」の解説

宇刈郷
うがりごう

宇刈川の上・中流域、宇刈丘陵に立地する現宇刈を中心とする一帯に比定される中世の郷。宇苅・宇狩とも記される。元弘三年(一三三三)のものと推定される足利尊氏・同直義所領目録(比志島文書)に足利直義領として「宇狩郷」とみえ、もとは遠江守護大仏維貞の知行地であった。貞治元年(一三六二)頃とみられる一〇月一九日の西園寺実俊施行状(熊野速玉神社文書)に添付された遠江国国衙領目録に「宇苅郷 三百卅石六斗五升九合」とみえる。寛正六年(一四六五)一二月の北野神社所領注文(北野神社文書)に、京都北野社松梅しようばい院不知行分として宇刈郷がみえる。文明元年(一四六九)五月の北野社領注文(北野社家引付)に、当郷について「自永享年中、三条殿御知行」と記されていて、当郷は永享年中(一四二九―四一)将軍足利義教外戚の正親町三条実雅の知行地となっていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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