改訂新版 世界大百科事典 「宇治の姫切」の意味・わかりやすい解説 宇治の姫切 (うじのひめきり) 古浄瑠璃の曲名。1658年(明暦4)刊。江戸和泉太夫正本。岡清兵衛重俊作。六段。現存正本最古の金平(きんぴら)浄瑠璃。初段は戦記物や説話,謡曲などに見られる四天王の武勇譚と宇治の橋姫の伝説を下敷きとしたもので,曲名はこの段に由来する。二段目以下は由良の武者所頼親の謀反の征討が主題である。この作品は親四天王の世代で,金平物としては未熟な面も多いが,源氏の棟梁と家臣たちの変化(へんげ)退治,謀反征伐という要件はすでに備わっている。執筆者:山本 吉左右 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by