日本律の八虐(はちぎやく)の冒頭に規定された犯罪。天皇の廃位やその身体に危害を加えることを計画し,またはそれとの関連で武力による現政権の転覆を予備・陰謀する罪をいう。謀反の刑は,大逆の罪(天皇の陵墓や皇居を損壊した罪)と同じく,その首犯従犯はすべて斬に処せられ,かつ犯人の父子,犯人所有の家人(けにん),資財田宅はすべて没官(もつかん),祖孫兄弟は遠流とされる。唐律と比べると,謀反の犯人の罪は両者とも同じであるが,その縁坐の範囲は,唐律のほうが日本律よりも,はるかに広い。とくに女性も唐律では縁坐の対象とされるが,日本律では除外されている。謀反・大逆の罪は,恩赦にあっても全免されず,近流に処せられる。なお八虐中の謀叛(むほん)は,謀反が現政権に対する積極的な反乱を企てることをいうのに対し,敵国への投降や亡命等の消極的な抵抗を謀る罪をいうが,後に両者は混同された。謀反,謀大逆,謀叛の3者は,政治犯として裁判手続上,多くの特例が認められている。
執筆者:小林 宏
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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律で定められた最も重い国家反逆罪。八虐の一つ。天皇に直接危害を加えようとする犯罪。本人は斬刑のうえ除名,父子は没官(もっかん)となり官奴婢とされ,田宅・資財・家人は没官,近親者も縁坐となった。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
…律の条文のうち,主として儒教的見地から道徳上の教えに違反する罪を集めて,それを謀反(むへん)(反をはかる),謀大逆(大逆をはかる),謀叛(むほん)(叛をはかる),悪逆,不道,大不敬,不孝,不義の8項目に分類し(表参照),それに特別な法的効果を付与した規定。したがって八虐に当たる罪に対する刑罰がすべて重いとは限らない。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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