金平(読み)キンピラ

デジタル大辞泉 「金平」の意味・読み・例文・類語

きんぴら【金平/公平】

金平浄瑠璃主人公の名。坂田金時の子。怪力無双で多く武功をたてたことから、強いもののたとえにいう。
[名・形動]
金平浄瑠璃」の略。
金平牛蒡ごぼう」の略。
金平のり」の略。
近世語》気が強くて荒っぽいこと。また、そのさま。多く、女子にいう。
「―な娘ではなし」〈黄・御存商売物〉

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精選版 日本国語大辞典 「金平」の意味・読み・例文・類語

きんぴら【金平・公平】

  1. [ 1 ] 金平浄瑠璃の主人公の名。源頼光の四天王の一人である坂田金時の子。怪力剛勇にして武勇に秀で、さまざまのすぐれた武功を立てる。
    1. 金平<b>[ 一 ]</b>〈公平花だんやふり〉
      金平[ 一 ]〈公平花だんやふり〉
    2. [初出の実例]「露転つよき事金平(キンヒラ)もはだし也」(出典浮世草子・好色貝合(1687)下)
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙
    1. きんぴらじょうるり(金平浄瑠璃)」の略。
      1. [初出の実例]「金平(キンヒラ)を作り岡清びゃう死して惜や思へば学もたけつな」(出典:古郷帰の江戸咄(1687)六)
    2. きんぴらぼん(金平本)」の略。
    3. きんぴらにんぎょう(金平人形)」の略。
      1. [初出の実例]「懐(ふところ)より具足着たる金平(キンヒラ)をたまはりける」(出典:浮世草子・男色大鑑(1687)二)
    4. ( 形動 ) 丈夫で堅固なこと。気が強くしっかりしたさま。
      1. [初出の実例]「子をうちつける公平な嚊」(出典:雑俳・住吉みやげ(1708))
    5. きんぴらむすめ(金平娘)」の略。
      1. [初出の実例]「とうから出来いてかなはぬ物、金平(キンヒラ)のはつが唐瘡(とうがさ)高津の涼み茶屋」(出典:浮世草子・好色一代女(1686)五)
    6. きんぴらのり(金平糊)」の略。〔随筆・嬉遊笑覧(1830)〕
    7. きんぴらごぼう(金平牛蒡)」の略。
      1. [初出の実例]「また牛旁の煑やうに金平あり」(出典:随筆・嬉遊笑覧(1830)六下)
    8. 雑魚しょうゆ砂糖を用いていりつけた食品。

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改訂新版 世界大百科事典 「金平」の意味・わかりやすい解説

金平 (きんぴら)

きんぴらゴボウの略。せん切りのゴボウを油でいため,砂糖,しょうゆ,酒で調味し,トウガラシ辛みをきかせる。ニンジンウド,れんこんなどを加えてもよい。強烈なしんらつ味を江戸初期に流行した金平浄瑠璃の主人公,金平の強さになぞらえたものとされる。
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百科事典マイペディア 「金平」の意味・わかりやすい解説

金平【きんぴら】

ゴボウの代表的な料理。細く切ったり,ささがきにして植物油でいため,砂糖と醤油で煮て,トウガラシで辛みをきかせる。ニンジンや蓮根(れんこん)を配することもあり,酒のさかな惣菜(そうざい)などとされる。

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「金平」の解説

きんぴら【金平】

きんぴらごぼう」の略。◇れんこん・にんじん・うど・大根の皮などを用いた同様の料理をいうこともある。⇒きんぴらごぼう

出典 講談社和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について 情報

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