宇田友四郎(読み)ウダ トモシロウ

20世紀日本人名事典 「宇田友四郎」の解説

宇田 友四郎
ウダ トモシロウ

明治〜昭和期の実業家 土佐商船創立者;土佐セメント社長;衆院議員(憲政会)。



生年
万延1年3月25日(1860年)

没年
昭和13(1938)年10月9日

出生地
土佐国香美郡岸本町(高知県香我美町)

経歴
商家を営む2代目宇田長蔵の二男に生まれる。義兄・臼井鹿太郎が経営する臼井商店で3年間修業、明治18〜21年日本郵船高知支店に務める。土佐運輸を創立して寺田亮を社長に、自らは支配人として采配を振るい、のち高知汽船と合併して土佐郵船と改称し支配人となる。27年土洋商船を興し大阪支店長、のち4社合併による帝国商船が発足し常務を務め、32年土佐共同汽船と合併し土佐商船を創立、横山慶爾を社長に、自らは常務に就任。日露戦争では同社の船が御用船となり、自己の持ち船も提供して利益を上げた。40年土佐商船の事業を大阪商船へ譲与して海運事業から手を引き、41年土佐電気鉄道社長(4代目)となる。大正11年土佐電気を設立し、昭和9年社長を引退。一方、明治44年〜昭和7年土佐セメント社長、大正2年白洋汽船を設立、社長に就任し手腕を振るう。また高陽銀行頭取、土佐銀行頭取などを歴任、大正11年〜昭和4年高知商業会議所会頭を務めるなど、土佐財界に大きく貢献し大御所と呼ばれた。傍ら、大正9年川崎幾三郎と共に土佐中学校を創設し高知県教育界にも尽力政界においては、明治44年〜大正8年高知県議、2〜8年高知市議を経て、13年衆院議員(憲政会)に、14年貴院議員に当選し活躍した。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「宇田友四郎」の解説

宇田友四郎 うだ-ともしろう

1860-1938 明治-昭和時代前期の実業家。
万延元年3月25日生まれ。土佐運輸,土佐郵船をおこし,明治32年土佐商船を創立。土佐電気,土佐セメントの社長,高陽銀行頭取などを歴任。大正9年川崎幾三郎とともに土佐中学を設立。13年衆議院議員(憲政会)。昭和13年10月9日死去。79歳。土佐(高知県)出身

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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