守護国家論(読み)しゅごこっかろん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「守護国家論」の意味・わかりやすい解説

守護国家論
しゅごこっかろん

日蓮著作。1巻,正元1 (1259) 年成立時代正法から末法へと移行すると,仏陀による正しい教えが次第に薄らぐとし,法然の『選択集』は正しい教えをそこなうものとして批判し,『法華経』に基づく正しい教えに従うべきであると論じた書。

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世界大百科事典(旧版)内の守護国家論の言及

【鎮護国家】より

…摂関政治・院政期には鎮護国家の概念に代わって,むしろ王法仏法(王法)の観念が強まってくるが,鎌倉時代には禅宗,日蓮宗の勃興とともに仏法による護国論が提起された。栄西は《興禅護国論》を著して禅院の建立は国家を守護し民衆を利するものとし,道元は永平寺を建立してこれを実践したし,日蓮は《立正安国論》《守護国家論》を著した。1338年(延元3∥暦応1)から足利氏が諸国に設けた安国寺は,〈安国利生〉に基づく創建で,これも南北朝動乱の終焉を祈るとともに国家の安寧平和を目的としたものであった。…

※「守護国家論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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