安佐寺跡(読み)あさでらあと

日本歴史地名大系 「安佐寺跡」の解説

安佐寺跡
あさでらあと

[現在地名]大淀町越部小字田口

奈良県高取町の壺阪つぼさか寺から大淀町越部こしべ田口たぐち、同町比曾ひそを経て吉野山に至る街道沿いにあった寺院。田口の通称安産の滝の背後台地に約二〇〇坪余の寺屋敷跡がある。徴すべき史料はなく、創建年代も不明であるが、奈良県吉野町山口やまぐち西蓮さいれん寺にある丈六阿弥陀如来坐像、大淀町馬佐ばさ妙楽みようらく寺の薬師如来観音地蔵立像、同町中増なかまし安養あんよう寺の観音像、比曾の徳応とくおう寺の本尊阿弥陀如来はもと安佐寺の仏像であると伝えられる。なかには平安から鎌倉・室町風の仏像もあり、西蓮寺の吉野大仏の胎内銘には慶安年間(一六四八―五二)同寺還誉が神告で「馬佐安佐谷」の寺から移し、寛文一一年(一六七一)五月五日修理とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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