壺阪(読み)つぼさか

精選版 日本国語大辞典 「壺阪」の意味・読み・例文・類語

つぼさか【壺阪】

[一] 奈良県高市郡高取町の地名中世越智氏が城を築いた高取山の西側のふもとにあたり、壺阪寺がある。
今昔(1120頃か)二四「此の中将兄弟の公信朝臣と共に、壺坂と云所に行たりけるに」
[二] 奈良県高市郡高取町にある壺阪寺のこと。
※宇津保(970‐999頃)藤原の君「坂本・つぼさか〈略〉かくのごとくすべてほとけと申すもの」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「壺阪」の意味・読み・例文・類語

つぼさか【壺阪/壺坂】

奈良県中北部、高市郡高取町の地名。高取山のふもとにある。
(壺坂)「壺坂霊験記」の通称。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「壺阪」の解説

壺阪
つぼさか

高取町大字清水谷しみずたにの通称坂本さかもとから東南へ約二キロ、壺阪峠に至る渓谷を壺阪といい、古くは壺坂と書いた。奈良盆地から吉野郡へ越える道で、峠下に壺阪寺(南法華寺)があり、高取城跡観光登山道路が通ずる。壺阪越は吉野・伊勢への交通路として古くから開け、寛弘四年(一〇〇七)藤原道長が金峯山きんぶせん参詣の際、この道を利用(御堂関白記)している。「大乗院雑事記」文明一九年(一四八七)四月二一日条に「越智之所行、去月以来気和井坂ヲ止テ、別道ヲ壺坂越ニ付之、伊勢道者ニ人別二十文関取之、長谷寺等迷惑」とあり、越智氏が壺阪峠に関所を設けたために長谷寺の関が被害を受けている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android