世尊寺(読み)せそんじ

精選版 日本国語大辞典 「世尊寺」の意味・読み・例文・類語

せそん‐じ【世尊寺】

平安京一条の北、大宮の西(大内裏北郊、現京都市上京区大宮通一条上ルの西方)にあった桃園(ももぞのてい)藤原行成が伝領し、その第内に建立した寺。廃絶。桃園寺。→桃園

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デジタル大辞泉 「世尊寺」の意味・読み・例文・類語

せそん‐じ【世尊寺】

京都一条の北、大宮の西にあった寺。清和天皇の第6皇子貞純親王の御所であった桃園の邸を、長保3年(1001)に藤原行成ふじわらのゆきなりが寺としたもの。

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日本歴史地名大系 「世尊寺」の解説

世尊寺
せそんじ

[現在地名]大淀町大字比曾

高取たかとり山系の小丘陵を背負い、西谷川と東谷川の両渓谷に挟まれた台地に南面する。霊鷲山と号し、曹洞宗。本尊は阿弥陀如来坐像で平安中期の作。寺伝に聖徳太子創建とあり、役行者金峯きんぶ入峯前ここで修行したので行者道分道場という。一名吉野よしの寺・比蘇ひそ寺・現光げんこう寺・栗天奉りつてんほう寺とも称する。「日本書紀」欽明天皇一四年五月条に河内国の言として「泉郡の茅渟海の中に、梵音す。震響雷の声の若し。光彩しく晃り曜くこと日の色の如し。天皇、心に異しびたまひて、溝辺直を遣して、海に入りて求訪めしむ。是の時に、溝辺直、海に入りて、果して樟木の、海に浮びて玲瓏くを見つ。遂に取りて天皇に献る。画工に命して、仏像二躯を造らしめたまふ。今の吉野寺に、光を放ちます樟の像なり」とあり、「日本書紀」編修以前すでに吉野寺が存在したことがわかる。

世尊寺
せそんじ

[現在地名]真野町竹田 大膳林

竹田たけだ台地上の字大膳林だいぜんばやしにある。東方約四〇〇メートルに阿仏房妙宣あぶつぼうみようせん寺がある。日蓮宗、法久山と号し、本尊は祖師真筆大曼荼羅。令法久住山大覚世尊寺とも国府道場こうのどうじようともよんだ。もとは日蓮宗富士門流で、日蓮の高弟日興の門流富士重須本門ほんもん(現静岡県富士宮市)の客末寺であった。日蓮在島のときに、日蓮の檀越となった国府入道夫妻(下江房日増とその妻妙円尼)の開基。

世尊寺
せそんじ

[現在地名]庄原市高町 寺川

西城さいじよう川の東岸、要害ようがい山の北西麓にあり、法輪山と号し曹洞宗。本尊阿弥陀如来。寛永一〇年(一六三三)奴可ぬかくり(現比婆郡西城町)浄久じようきゆう寺の白翁が開基。もとたか上組古寺かみぐみふるでらの地にあったが、延享二年(一七四五)高村の割庄屋井上三郎右衛門が現在地に移したと伝える。本堂は当時のもので、同年の棟札写を蔵する。

裏山である要害山・前要害まえようがい山には、山内氏の支城雲井くもい城と福山ふくやま城があった。

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