安八郷
あんぱちごう
「和名抄」所載の郷。大宝二年(七〇二)の御野国戸籍(正倉院文書)にみえる味蜂間が古い訓を最もよく伝える。安八の簡易な二字表記になってから、しだいにアンパチに変わっていったと考えられる。郡名と同名であることから、一般に当郷が郡衙の所在地とされる。古代の安八郡の中心は北方にあったと推定され、郡衙は通説の現神戸町神戸付近とするのが妥当と思われる。「濃飛両国通史」は神戸は郡戸より転訛したものとしている。神戸を郡衙所在地とすると、郷域は神戸を中心にその周囲の川西・末守・北一色および丈六道・新屋敷を含む地域と推定できよう。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
Sponserd by 