安国山(読み)あんこくさん

日本歴史地名大系 「安国山」の解説

安国山
あんこくさん

[現在地名]那覇市首里真和志町一丁目

首里城の北西龍潭りゆうたんの南岸にある丘陵地で、南東端に園比屋武すぬひやん御嶽がある。東にあるハンタン山(円鑑池の南)と相対していた。宣徳二年(一四二七)八月の紀年がある安陽の澹菴撰文による安国山樹華木之記という石碑(県立博物館蔵)によれば、「王城外安国山増而高之(王城外安国山を、増して之を高くし)」とみえ、首里王城の威容を増し、併せて遊息の地(外苑)とするため池(龍潭)を掘り、その土を盛土して安国山を築造し、松柏や花木・薬木などを植えたという。「琉球国由来記」には真和志まーじ村の拝所「ソノヒヤブノ御イベ」の項でこの碑文について、詳しく文字を判読しえないとあり、一八世紀前半にすでに文字が摩耗していたようである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android