安楽尼(読み)あんらくに

朝日日本歴史人物事典 「安楽尼」の解説

安楽尼

没年寛弘8.1.1(1011.2.6)
生年承平4(934)
平安中期の女性往生者。出家後,伊予国(愛媛県)法楽寺に住む。25年間毎日阿弥陀名号,観音の真言,光明真言,普賢の十願の名号を唱え,その他の修行は数えきれないほどであった。寛弘4(1007)年8月,僧正一の夢に,安楽尼が呼んだので部屋にいくと,中に金色の阿弥陀像があって,我ここにありと告げたので阿弥陀仏化身と知って帰依した。その後,正一の夢に安楽尼の部屋に紫雲光明を見,毎夜異香があったので往生の予告と知った。比叡山の僧で近辺の法界房に住む清禅も,往生者であると確信した。<参考文献>三善為康選『拾遺往生伝下巻

(西口順子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「安楽尼」の解説

安楽尼 あんらくに

934-1011 平安時代中期の尼僧
承平(じょうへい)4年生まれ。「拾遺往生伝」によれば,伊予(いよ)(愛媛県)天台宗法楽寺に住し,25年間毎日阿弥陀(あみだ)名号,観音真言,光明真言,普賢十願などをとなえ,不思議な現象をしめしながら往生したという。寛弘(かんこう)8年1月1日死去。78歳。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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