朝日日本歴史人物事典 「安楽尼」の解説
安楽尼
生年:承平4(934)
平安中期の女性往生者。出家後,伊予国(愛媛県)法楽寺に住む。25年間毎日阿弥陀名号,観音の真言,光明真言,普賢の十願の名号を唱え,その他の修行は数えきれないほどであった。寛弘4(1007)年8月,僧正一の夢に,安楽尼が呼んだので部屋にいくと,中に金色の阿弥陀像があって,我ここにありと告げたので阿弥陀仏の化身と知って帰依した。その後,正一の夢に安楽尼の部屋に紫雲と光明を見,毎夜異香があったので往生の予告と知った。比叡山の僧で近辺の法界房に住む清禅も,往生者であると確信した。<参考文献>三善為康選『拾遺往生伝』下巻
(西口順子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報