安隆寺跡(読み)あんりゆうじあと

日本歴史地名大系 「安隆寺跡」の解説

安隆寺跡
あんりゆうじあと

[現在地名]河合町大字川合小字安立寺

広瀬ひろせ神社の西方にあった古代寺院。江戸時代初期にさかのぼるとみられる和州広瀬郡広瀬大明神之図(広瀬神社蔵)によると、神宮寺(現河合町定林寺)の西方、御幸瀬ごこうがせ渡から南に通ずる古道を越えた所に築地を巡らした「安立寺」があり、千手観音堂・鎮守社二殿などを描いている。定林じようりん寺の千手観音厨子背面墨書銘に「元亀二年未三月十八日 川合安隆寺 建立者 春玉房」とあり、広瀬神社蔵の河相社縁起の奥書にも宮寺の一つとして安隆寺の寺名を記してある。縁起などは不明であるが、天養元年(一一四四)大和国安隆寺領畠坪付(棠本氏蔵東大寺文書)によると「東大寺末寺安隆寺所領」とあり、その坪付は広瀬郡一一条二里(八坪)・一二条二里(一一坪)であり、面積は八町八段余である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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