官内町(読み)かんないまち

日本歴史地名大系 「官内町」の解説

官内町
かんないまち

[現在地名]博多中呉服町なかごふくまち

中石堂町の東、唐津街道に沿う両側町。博多津中の東端に位置し、南北道沿いの蓮池はすいけ町・竪町上たてちようかみと交差する四辻から津中の出入口の石堂口門までの間数二八間五尺には北側に海元かいげん寺、南側に一行いちぎよう寺・選択せんじやく(以上現浄土宗)が配置されており町屋はない。石堂口門を出て石堂川(御笠川)に架かる石堂橋を渡ると堅糟かたかす村。西は東町下ひがしまちしも浜口町上はまぐちまちかみの通り(福岡博多近隣古図)町名は「古しへ大宰府の官人、此処に来りて守衛しけれハ、其館の在し処を、後世官内と名付けし」とか(石城志)、「鴻臚館と云館舎をおかれし所ならん」とか(続風土記拾遺)、「佐野近世が館有し所故町ノ名トス」とかいわれる(前掲近隣古図)。大永八年(一五二八)九月二日の臼杵親連公事免許状(続風土記附録)によると、大友氏は博多津において格別な称名しようみよう寺と「官内」所在の寺を再興させるため諸公事を免除している。天文四年(一五三五)七月九日には大内義隆土居どい道場(称名寺)と「官内両門前東西在家諸職人牛馬以下諸公事」を免除している(「大内氏奉行人連署奉書」同書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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