官冠り(読み)つかさこうぶり

精選版 日本国語大辞典 「官冠り」の意味・読み・例文・類語

つかさ‐こうぶり‥かうぶり【官冠・官爵】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 官職と位階。官位。かんしゃく。
    1. [初出の実例]「しひて仕まつらせ給はば消え失せなむず、みつかさかうぶりつかうまつりて、死ぬばかり也」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
  3. 年官年爵。平安中期以降、除目(じもく)叙位の際に、天皇・院・女院・三后・准三后親王公卿・女御などに与えられた任官・叙位請求権。毎年一定数の人員を一定の官職に任命することを申請する権利(年官)と、一定数の人員について従五位下への叙爵またはある位階からその上階への加階を申請する権利(年爵)とからなる。その権利を与えられた者は自分の近親者を任官・叙位させることや希望者をその地位につけることにより任料・叙料を得て自己の収入とすることができた。
    1. [初出の実例]「もとよりのたから物、得給ふべきつかさかうぶり、御封(みふ)の物の、さるべき限りして」(出典源氏物語(1001‐14頃)薄雲)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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