位階体系の中心系列である内位,傍系的な外位(げい),勲位を授けること。令制で位階を授ける方式は,内・外五位以上を授ける勅授,内八位・外七位以上を授ける奏授,外八位および内・外初(そ)位を授ける官判授に分かれるが,勲位は六等以上が勅授,七等~十二等が奏授であった。五位以上を授ける勅授の儀は,宮廷の年中行事のひとつになり,男叙位と女叙位とがあったが,ただ叙位といえば男叙位をさした。8世紀前半には,その叙位が正月に行われるのが一般的であったが,日付は一定していない。764年(天平宝字8)ごろからしだいに正月7日に行われる傾向が強まり,791年(延暦10)ごろからは,事情のある場合を除いて,正月7日に叙位,翌8日に女叙位が行われるようになった。その叙位の儀は正月6日に行われていたが,10世紀後半からは,しだいに5日に変わり,女叙位も10日前後に変化した。また,このころから女叙位は隔年に行われるようになった。ほかに臨時の叙位がある。
→位階
執筆者:野村 忠夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
(1)位階を授けること。
(2)勅授(ちょくじゅ)である従(じゅ)五位下以上の位階を授ける政務。定例では正月5日または6日に清涼殿(せいりょうでん)に公卿(くぎょう)以下参入し叙位議(じょいのぎ)(単に叙位ともいう)を行い、申文(もうしぶみ)などを審議して叙すべき者を決定し、7日に豊楽院(ぶらくいん)(のちには紫宸殿(ししんでん))で白馬節会(あおうまのせちえ)とともに叙位儀が行われ、天皇の宣命(せんみょう)によって授位される。また内親王以下女子に対する女叙位(おんなじょい/にょじょい)が別の日に行われるようになり、これは正月8日が定日で、のちには隔年が例となったが、式日のほうは不定となる。ほかに臨時の叙位もあり、あるいは女叙位の際に男子の叙位を加えることや、除目(じもく)のときに若干の叙位を行うこともあった。厳重な儀式のうちに行われることは除目と同様である。
[黒板伸夫]
位階を与えること。律令制下では,官人は原則として毎年の勤務評価を所定の年数で総合して位階を与えられ,はじめて官途につく者は無位の官人として勤務し,所定の年数をへて位階を叙された。また秀才以下の試験の合格による叙位や蔭位(おんい)による叙位もあり,条件が重なった場合は多少加算された。叙位の方式には,位階によって勅授・奏授・判授の別があった。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…たとえば第一階はさらに18に区分され,第一大勲位,第二首相,第十六公爵,第十七従一位のごとくであった。戦後の46年,生存者叙位叙勲は一時停止され,叙位は今日も死没者にしか与えられない。64年特権を伴わない生存者叙勲,戦没者叙勲が開始された。…
…日本古代の律令官僚制で,人材を選んで官を授け,また毎年の勤務評定にもとづくなどで位階に叙すること。大宝選任令・養老選叙令によると,叙位は,内・外(げ)五位以上に叙する勅授,内八位・外七位以上に叙する奏授,外八位および内・外初(そ)位に叙する官判授の3段階に分かれたが,蔭位(おんい)資格者は21歳以上,その他は25歳以上で叙位された。任官は,大納言以上などの中枢的な高級官僚を任命する勅任をはじめ,奏任,判任,式部判補の4段階に区分されたが,律令官僚の採用・昇進についての基本理念は徳行才用主義とよばれ,本人の徳性を中心にして,才能の高いものを任ずることをたてまえとした。…
※「叙位」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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