官営鱈肝油製造所跡(読み)かんえいたらかんゆせいぞうしよあと

日本歴史地名大系 「官営鱈肝油製造所跡」の解説

官営鱈肝油製造所跡
かんえいたらかんゆせいぞうしよあと

[現在地名]茅部郡南茅部町字臼尻

明治一〇年(一八七七)開拓使函館支庁が新設した初めての鱈肝油製造所。臼尻うすじり近世は箱館六箇場所のうちマダラの主産地で、かつ天然の良港でもあり、江戸・京坂への五〇〇石船が澗掛りした。鱈の肝油の製法は早くから注目され、明治元年箱館の医師五藤精軒が鱈・鮫などの原料から肝油の製造を試みた(「事業報告」第三編)。鱈肝油製造を官業に取込むため、函館支庁は同九年に陸軍省軍医部に勤務していた渡辺章三を招き、御用係・函館在勤、七重ななえ勧業試験場(現七飯町)所属としてマダラの産地茅部郡の砂原さわら(現砂原町)、臼尻村・尾札部おさつべ村に出張させ、肝油の製造を試み製法の指導に当らせた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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