定本蛙(読み)テイホンカエル

関連語 新潮文庫

日本大百科全書(ニッポニカ) 「定本蛙」の意味・わかりやすい解説

定本蛙
ていほんかえる

草野心平の詩集。1948年(昭和23)大地書房刊。49年第1回読売文学賞受賞。これまでの心平の蛙(かえる)の詩の集大成で、3部に分かれ、Ⅰは『日本沙漠(さばく)』より、Ⅱは『蛙』より、Ⅲは『第百階級』より再録の計49編を収録。「蛙は心平のヘソのごとき存在」(村野四郎)といわれるように、それぞれ作者の40代、30代、20代の素顔をうかがわせる。高村光太郎題字に加え、それぞれ蛙を素材にした土門拳(どもんけん)の写真、岡鹿之助(しかのすけ)、海老原(えびはら)喜之助、三岸節子、庫田(くらた)叕(てつ)の素描、串田(くしだ)孫一の印鑑に、深井史郎作曲による心平の詩『祈りの歌』の楽譜が付されている。

[飛高隆夫]

『『草野心平詩集』(旺文社文庫・新潮文庫)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

生命維持活動に必須なエネルギーの獲得や,成長に必要な有機材料を合成するために生体内で起るすべての生化学反応の総称。複雑な分子を単純な分子へ分解してゆく過程でエネルギーを獲得する分解代謝または異化 (カ...

代謝の用語解説を読む