定本蛙(読み)テイホンカエル

デジタル大辞泉 「定本蛙」の意味・読み・例文・類語

ていほんかえる〔テイホンかへる〕【定本蛙】

草野心平詩集。昭和23年(1948)刊。3部構成。蛙を主題とする詩の集大成。昭和24年(1949)、第1回読売文学賞受賞。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

関連語 新潮文庫

日本大百科全書(ニッポニカ) 「定本蛙」の意味・わかりやすい解説

定本蛙
ていほんかえる

草野心平の詩集。1948年(昭和23)大地書房刊。49年第1回読売文学賞受賞。これまでの心平の蛙(かえる)の詩の集大成で、3部に分かれ、Ⅰは『日本沙漠(さばく)』より、Ⅱは『蛙』より、Ⅲは『第百階級』より再録の計49編を収録。「蛙は心平のヘソのごとき存在」(村野四郎)といわれるように、それぞれ作者の40代、30代、20代の素顔をうかがわせる。高村光太郎題字に加え、それぞれ蛙を素材にした土門拳(どもんけん)の写真、岡鹿之助(しかのすけ)、海老原(えびはら)喜之助、三岸節子、庫田(くらた)叕(てつ)の素描、串田(くしだ)孫一の印鑑に、深井史郎作曲による心平の詩『祈りの歌』の楽譜が付されている。

[飛高隆夫]

『『草野心平詩集』(旺文社文庫・新潮文庫)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android