定電圧ダイオード(読み)テイデンアツダイオード(英語表記)voltage regulator diode

デジタル大辞泉 「定電圧ダイオード」の意味・読み・例文・類語

ていでんあつ‐ダイオード【定電圧ダイオード】

ツェナーダイオード

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改訂新版 世界大百科事典 「定電圧ダイオード」の意味・わかりやすい解説

定電圧ダイオード (ていでんあつダイオード)
voltage regulator diode

p-n接合ダイオードの降伏特性を利用して,ダイオードの端子電圧電流にほとんど依存せぬようにしたダイオード。p-n接合ダイオードに逆電圧を加えると,ある一定の電圧,すなわち降伏電圧を超えると急激に電流が流れる。降伏電圧が5.5V程度より大きければ,降伏現象はキャリアの衝突電離による電子なだれによるので降伏電圧は正の温度係数を有する。降伏電圧が5.5V程度より小さければ降伏現象はツェナー効果半導体に強い電界が加わると,価電子帯にある電子がトンネル効果により伝導帯に移り,大きな電流が流れる現象。ジーナー効果ともいう)により,降伏電圧は負の温度係数を有する。そこで定電圧ダイオードの端子電圧の温度係数を0にするためには5.5V程度の降伏電圧を利用するか,降伏電圧が5.5Vより大きいダイオードに順方向にバイアスされるp-n接合ダイオードを組み合わせて使用する。とくに端子電圧の温度係数が0の定電圧ダイオードを基準電圧ダイオードといい,電圧標準に用いられる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「定電圧ダイオード」の意味・わかりやすい解説

定電圧ダイオード
ていでんあつダイオード
voltage regulator diode

負荷が多少変化しても,電源電圧を一定に保つようにする調整用のダイオード。p-n接合ダイオード (一般にはシリコンダイオードが用いられる) の逆方向電圧を,降伏電圧近傍にとれば,電圧の微小変化に対しても電流は急激に大きく変化する。このため電流が大きく変化した場合でも,電圧変化を微小にしたいとき,この降伏効果を利用すれば簡単な回路で行うことができる。この降伏効果は,ツェナー効果,なだれ降伏およびその複合によるとされている。この種のダイオードには,一般の定電圧用のほか,温度補償を精密に行なった電圧標準用や,大電力または高周波電力のリミッタ用などがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「定電圧ダイオード」の意味・わかりやすい解説

定電圧ダイオード
ていでんあつだいおーど

ツェナーダイオード

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