宣徳通宝(読み)せんとくつうほう

山川 日本史小辞典 改訂新版 「宣徳通宝」の解説

宣徳通宝
せんとくつうほう

中国明の銅銭。宣宗宣徳帝治下の1433年に初鋳。日本にも流入したが,国内での流通量は少ない。当初は精銭(せいせん)として通用したが,15世紀末以降,悪銭転落。1569年(永禄12)織田信長が発した撰銭令(えりぜにれい)では,悪銭のなかで最も良質の部類に位置づけられ,精銭の半分価値を付与された。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の宣徳通宝の言及

【永楽通宝】より

…明では諸国の朝貢船の進貢物に対し頒賜物があり,また積載した貨物を買い上げたが,頒賜物の中に銅銭があり,買上物の代価に銅銭をあてた。明は太祖のとき大明宝鈔を発行,その流通をはかり銅銭通用を制限しついに禁止したが,朝貢国への銅銭給与は当代の制銭すなわち成祖代は永楽通宝,宣宗代は宣徳通宝をあてた。足利義満の通好は永楽帝成祖の世で遣明船も多く,永楽通宝の給与も多かった。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」