撰銭令(読み)えりぜにれい

世界大百科事典 第2版 「撰銭令」の意味・わかりやすい解説

えりぜにれい【撰銭令】

室町・戦国時代に,悪銭のうちとくに粗悪な銭の流通を禁止するとともに,その他について撰銭を禁止するなど,銭貨流通に関して室町幕府大名社寺などが発した法令。〈せんせんれい〉〈せいせん(精銭)れい〉ともいう。室町・戦国時代に経済が発展し,貨幣流通が盛んになると,輸入中国銭の不足をきたし,私鋳銭の大量鋳造がおこなわれ高利貸営業,商取引,年貢公事・反銭の銭納などにおいて,撰銭行為によるトラブルが発生した。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

旺文社日本史事典 三訂版 「撰銭令」の解説

撰銭令
えりぜにれい

室町幕府や有力社寺・戦国大名などから出された撰銭に関する法令
銭貨流通の円滑化をはかったもので,その内容は標準貨幣(中国銭)の設定,選択してよい銭と,いけない銭の種別,良悪貨幣の混用の限度,良貨に対する悪貨の割引通用率などが規定された。江戸時代銅銭が豊富に鋳造・通用するに及んで止んだ。

出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報

世界大百科事典内の撰銭令の言及

【撰銭令】より

…室町・戦国時代に経済が発展し,貨幣流通が盛んになると,輸入中国銭の不足をきたし,私鋳銭の大量鋳造がおこなわれ高利貸営業,商取引,年貢公事・反銭の銭納などにおいて,撰銭行為によるトラブルが発生した。このため銭貨流通を円滑化するため,しばしば撰銭令が出された。幕府は,1500年(明応9)を初見として,66年(永禄9)まで9回の撰銭令を出している。…

※「撰銭令」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

線状降水帯

線状に延びる降水帯。積乱雲が次々と発生し、強雨をもたらす。規模は、幅20~50キロメートル、長さ50~300キロメートルに及ぶ。台風に伴って発達した積乱雲が螺旋らせん状に分布する、アウターバンドが線状...

線状降水帯の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android