出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…永楽銭は東国でとくに重んじられた。後北条氏は1564年(永禄7)貢租の銭納に精(善)銭を,81年(天正9)精銭に代え永楽銭を充当した。精銭,永楽銭のみによる銭納は困難ゆえ,米麦,絹布,黄金などで代納もさせた。…
…〈えりせん〉〈よりぜに〉〈せいせん(精銭)〉ともいう。平安時代には政府鋳造の粗悪な貨幣,私鋳銭,文字や輪郭の磨耗している貨幣などを選び排する行為があり,これを〈択銭(たくせん)〉と称した。…
…中国渡来銭の流通が軌道に乗るようになると,室町時代には中国銭を形態のうえから阿堵(あと),鳥目(ちようもく),鵝眼(ががん)などと呼び,また使用の面から御脚,用途,料足などととなえるようになった。中国銭の国内通用が盛んになると,中国官鋳制銭をモデルにして造られた私鋳銭や模造銭が現れ,官銭は一般に良銭,精銭と呼ばれ,私鋳銭,模造銭は悪銭または鐚銭(びたせん)ととなえられた。精銭と悪銭とが並んで用いられたので室町時代には撰銭(えりぜに)の現象が生じ,悪銭はその使用に際して割り引かれたり,排除される傾向が生じた。…
※「精銭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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