寂念(読み)ジャクネン

精選版 日本国語大辞典 「寂念」の意味・読み・例文・類語

じゃく‐ねん【寂念】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「じゃく」は「寂」の呉音 ) 仏語。静かに雑念を去った思い。また、静かな、一事に集中した心。禅定(ぜんじょう)
    1. [初出の実例]「言葉少うして理(ことわり)を含み、三難(さんなん)耳絶えて寂念(じゃくねん)閑静(かんじゃう)の床(ゆか)の上には、眠(ねむり)(はる)かに眼(まなこ)を去る」(出典:大観本謡曲・巻絹(1537頃))
    2. [その他の文献]〔円覚経〕

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普及版 字通 「寂念」の読み・字形・画数・意味

【寂念】せきねん

しずかな心。

字通「寂」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の寂念の言及

【大原の三寂】より

…平安末期,藤原為忠の子藤原為業藤原為経藤原頼業の三兄弟の称。三者は官仕を辞して出家し,それぞれ寂念・寂超・寂然と称し,歌人として活躍,のち三寂と称せられた。寂超・寂然は大原に住んだが,寂念が大原に住んだ証はなく,父の別荘のあった地にちなみ常磐の三寂と呼ぶほうがよいとする説もある。…

【藤原為業】より

…為忠の子。伊賀守,蔵人,皇后宮大進などを歴任,1160年(永暦1)前後に出家,寂念と号し,東山霊山に住んだ。大原の三寂(常磐(ときわ)の三寂)の一人。…

※「寂念」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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