富士岳
ふじたけ
現上田市の塩田盆地南東、現小県郡丸子町大字内村との境にある山。標高一〇三四メートル。北麓に平井寺村・奈良尾村(現上田市塩田)、南麓に内村があり、東西は独鈷山の山脈が連なる。塩田盆地を潤す尾根川の水源で、ひときわ高くそびえるため、古来雨乞いの山として信仰され、上田藩では旱魃のとき、この山で千駄焚をして降雨を祈ることを例とした。
この山に約二・五メートルの中世の石造多層塔があり、弘安八年(一二八五)の刻銘(なお検討を要するが形式から鎌倉期と推定)があり、蒙古襲来のとき塩田北条氏が敵国降伏を祈って建立したものと伝える。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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