富士詣(読み)ふじもうで

精選版 日本国語大辞典 「富士詣」の意味・読み・例文・類語

ふじ‐もうで‥まうで【富士詣】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 陰暦六月一日から二一日までに富士山に登り、山頂の富士権現社に参詣すること。富士講をつくり白衣を着、鈴と金剛杖を持ち、呪文(じゅもん)などを読誦しながら登山する。富士参り。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「富士詣 六月中也」(出典:俳諧・誹諧初学抄(1641)末夏)
  3. 陰暦五月晦日(みそか)・六月一日の両日、江戸の浅草駒込高田など八か所に模造した富士浅間(せんげん)神社に参詣すること。富士参り。
    1. 富士詣<b>②</b>〈絵本吾妻抉〉
      富士詣〈絵本吾妻抉〉
    2. [初出の実例]「ふじまふでの行人たちが懴悔々々六根罪障」(出典:歌謡・松の葉(1703)二・富士詣)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の富士詣の言及

【富士信仰】より

…登山者の信仰活動の目的は,山上で日の出を拝することで,これを御来迎または御来光と称した。さらに山中に胎内穴があり,聖地視され,この洞穴に入り出てくること(胎内くぐり)は,富士詣により再生することを潜在的に意味したらしい。富士講では,富士にもうでることは,ちょうど極楽に行って戻ってくることと同じだと説明して信者を集めたのである。…

※「富士詣」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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