富積保(読み)とみつほ

日本歴史地名大系 「富積保」の解説

富積保
とみつほ

戸水とみず町を遺称地とし、同町付近一帯に成立していたとみられる。戦国期には東方・西方に分れていた。「白山宮荘厳講中記録」天福二年(一二三四)八月一九日条によれば富積保の静真が当保内の白山宮神講田を押領し、白山宮がその作毛刈取りに使者を派遣したところ、神鉾を壊し、使者を刃傷打擲したという。そこで同月二九日白山両社(白山本宮・金剣宮か)衆徒が静真の政所に押寄せ、静真の舎弟・妹婿代官など下手人八人を搦め取ったが、鎌倉の竹御所(将軍藤原頼経夫人)や京都の機嫌をはばかって釈放している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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