20世紀日本人名事典 「寺田市十」の解説
寺田 市十
テラダ イチジュウ
明治・大正期の技術者
- 生年
- 文久3年10月10日(1863年)
- 没年
- 大正13(1924)年11月13日
- 出生地
- 駿河国山名郡福田村(静岡県磐田郡福田町)
- 主な受賞名〔年〕
- 全国特産品博覧会一等金賞牌〔大正1年〕
- 経歴
- 生地福田村は明治時代中期ごろからコール天織物業が盛んとなり、彼も明治25年に4台の織機を購入してコール天織物の生産を始める。やがて技術革新を志し、手織中心だった織物業界にディーゼル機関による動力を導入し、藤村重吉らとはかって丸三工場を設立。43年頃よりコール天製造の技術を利用して別珍の開発を試み、苦心の末、大正1年こうもり傘の骨を用いて器具の開発に成功した。これは同年の全国特産品博覧会で第一等金賞牌を獲得するなど好評を博し、のちには下駄の鼻緒や足袋など各種の用途に合わせた別珍織機を開発。第一次世界大戦後の不況で工場の規模を縮小したのちは名古屋に出て別珍製品の普及と販売に努めた。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報