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別珍 べっちん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

別珍
べっちん

ベルベティーン velveteenの転訛語で,綿ビロードの通称。緯パイル織物の一種。地組織の上に,規則的に緯糸を浮かせて織り上げたのち,パイルを中ほどでカットして,織物表面全体に (けば) 立たせたもの。パイルの浮きが長くなるほど,毳の毛足が長くなる。肉厚で,柔らかい手ざわりが特徴。平織別珍と綾織別珍とがあり,足袋地,婦人・子供服地,帽子地,室内装飾布,下駄の鼻緒など,用途は広い。 1750年頃フランスのリヨンで織られはじめ,1896年鳥取県倉吉で国産化された。明治から大正にかけては,唐天とか絹天と呼ばれていたが,1917年東京丸平の松井良輔が別珍足袋の意匠登録をしてから,別珍布地の一般名になったといわれる。

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デジタル大辞泉の解説

ベッチン

velveteenから》綿糸を用いて織り、毛羽(けば)を表面に出したビロード。女性・子供服地、足袋・鼻緒などに用いる。唐天(からてん)。
[補説]「別珍」とも書く。

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百科事典マイペディアの解説

別珍【べっちん】

英語のベルベティーンvelveteenの転訛した語。唐天とも。綿ビロードの一種。緯(よこ)ビロードで,緯糸の一部を浮織とし,織った後に先を切り短い毛羽をたたせる。
→関連項目輪奈織

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世界大百科事典 第2版の解説

べっちん【別珍】

綿ビロードのこと。英語のベルベティーンvelveteenがなまった名称で,〈別珍〉は当て字。1917年東京の松井良輔が足袋の商標として別珍名を用いて以来,通称名となったといわれる。18世紀の中ごろフランスのリヨンで製織されはじめ,その後イギリスではマンチェスターが著名な産地となった。日本では明治20年代に国産のものが製織されはじめ,明治から大正にかけて婦人服,子供服,足袋,鼻緒地などに広く活用された。

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大辞林 第三版の解説

べっちん【別珍】

〔ベルベティーン(velveteen)の転〕
綿のビロード。婦人服地・子供服地・足袋地などに使う。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

別珍
べっちん

ベルベティーンvelveteenの日本語化したもので、添毛(てんもう)織ビロードの一種。この別珍は緯(よこ)糸を切ってパイルとした緯毛ビロードで、まず地の組織を平織または綾(あや)織とし、それに毛緯を幾本かの経(たて)糸を越えて畝(うね)のように組織させ、織り終わってから生地(きじ)を台の上に置いて、剪毛刀(せんもうとう)でループになった毛緯を切り、整理仕上げをする。主産地は、静岡県磐田(いわた)市南東部(旧福田(ふくで)町地域)で、婦人・子供服によく用いられている。[角山幸洋]

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