綿ビロードのこと。英語のベルベティーンvelveteenがなまった名称で,〈別珍〉は当て字。1917年東京の松井良輔が足袋の商標として別珍名を用いて以来,通称名となったといわれる。18世紀の中ごろフランスのリヨンで製織されはじめ,その後イギリスではマンチェスターが著名な産地となった。日本では明治20年代に国産のものが製織されはじめ,明治から大正にかけて婦人服,子供服,足袋,鼻緒地などに広く活用された。生地は緯毛(よこげ)ビロードの一種で,地経(じだて),地緯(じぬき)に毛緯(けぬき)(製織後に起毛するための緯糸)を加えて織る。織り方は地緯1越(1本)と次の地緯との間に,毛緯を2越から5越,経糸を3~9本またいで浮織とし,製織後に毛緯の輪奈(わな)の部分を切って毛羽(けば)だてる。一般に地組織は平織とするが,綾織のものもある。無地染のほか,捺染(なつせん)によるプリント文様を施したものなどがあり,現在でも冬の子供服,婦人の部屋着,室内装飾布などとして幅広く活用されている。
→ビロード
執筆者:小笠原 小枝
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