専応花伝書(読み)せんのうかでんしょ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「専応花伝書」の意味・わかりやすい解説

専応花伝書
せんのうかでんしょ

池坊専応(いけのぼうせんのう)によって伝えられた伝書いけ花を理論的に体系づけた最初の伝書で、座敷飾りの花、「たてはな」(初期のいけ花)の花論、室町時代後期の生活習俗などが叙述されている。写本1巻。池坊では「大巻(おおまき)」と称され、もっとも重要な秘伝書として扱われてきた。写本のもっとも古いものは、1486年(文明18)5月13日の日付をもつという。『続群書類従(ぞくぐんしょるいじゅう)』に『池坊専応口伝』の書名収録

[北條明直]

『華道沿革研究会編『花道古書集成』第1巻(1970・思文閣)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の専応花伝書の言及

【池坊専応口伝】より

…池坊専応によるいけばなの伝書。《専応花伝書》ともいう。専応は花道の成立期である1523年(大永3)ごろから43年(天文12)ごろまでに活躍した文阿弥(もんあみ)と同時代の立花(たてはな)の名手で,頂法寺六角堂の僧侶であり,池坊の流れにおける花道の大成者でもある。…

※「専応花伝書」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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