日本大百科全書(ニッポニカ) 「射影対応」の意味・わかりやすい解説
射影対応
しゃえいたいおう
配景対応(射影と切断によって得られる対応)を組み合わせてできる対応をいう。射影変換ともいう。射影対応によって、(1)いくつかの点が1直線上にある(共線)こと、(2)いくつかの直線が1点を通る(共点)こと、の二つの性質は変わらない。この場合、無限遠点も点の仲間に入れて考えるので、1点で交わる2直線が射影対応で平行な2直線に移ることもある。射影対応は1直線上の4点の非調和比、1点を通る4直線の非調和比を不変にし、したがって調和列点を調和列点に移す。また二次曲線を二次曲線に移すが、たとえば楕円(だえん)を楕円に移すとは限らず、双曲線、放物線に移すことがある。
[立花俊一]