小五月郷(読み)こさつきごう

日本歴史地名大系 「小五月郷」の解説

小五月郷
こさつきごう

高畑たかばたけ町の天満神社の祭礼小五月会は五月五日に行われたが、これに参加する郷は小五月郷とよばれた。「春日社記録」中臣祐賢記の文永六年(一二六九)五月一八日条に「薬師堂郷民等、為小五月若宮ヘ参シテ無之、去五月六日今五村参畢」、同弘安三年(一二八〇)五月六日条には「恒例郷民小五月若宮ヘ参天遊、次第、今朝雨降之間、自午時参、先幸郷、次桶井、次笠サギ、次薬師堂、次京終、次木辻子、次高御門」とある。鎌倉時代には郷が形成されていた。

天満神社はもとは元興がんごう鎮守として同寺禅定ぜんじよう院内にあったが、元興寺別当は東大寺興福寺から出され、経済的には興福寺の支配を受けるようになっていた。とくに治承四年(一一八〇)興福寺が平重衡焼討に遭って大乗院禅定院に移ると天満神社も大乗院の鎮守となっていったものと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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