日本大百科全書(ニッポニカ) 「小佐渡山地」の意味・わかりやすい解説
小佐渡山地
こさどさんち
新潟県佐渡島(さどがしま)(佐渡市)の南半を占める丘陵性の地塁山地。最高峰は中央の大地(おおじ)山(646メートル)で、北東から南西に500~600メートルの高度差で丘陵性台地にかわる。南端は羽茂(はもち)川の縦谷で二分され、南西端は小木(おぎ)半島となる。小木半島は更新世(洪積世)の激しい地盤運動の影響で海岸段丘地形を構成し、海岸は溺れ谷(おぼれだに)地形が発達する。沿岸は南仙(なんせん)峡とよばれる海岸景勝地(佐渡弥彦米山(やひこよねやま)国定公園地区に含まれる)になっている。宿根木(しゅくねぎ)はその代表的溺れ谷港で、近世初期は港町として繁栄した。小佐渡山地南岸は前浜海岸とよばれ、小木、赤泊(あかどまり)、松ヶ崎、水津(すいづ)などの古い佐渡の港が並ぶ。北端の国見山付近はかつてトキの生息地として知られた。
[山崎久雄]