日本大百科全書(ニッポニカ) 「羽茂」の意味・わかりやすい解説
羽茂
はもち
新潟県佐渡郡(さどぐん)にあった旧町名(羽茂町(まち))。現在は佐渡市の南部を占める一地区。1961年(昭和36)町制施行。2004年(平成16)、両津(りょうつ)市および佐渡郡の相川(あいかわ)町、佐和田(さわた)町、金井(かない)町、新穂(にいぼ)村、真野(まの)町、畑野(はたの)町、小木(おぎ)町、赤泊(あかどまり)町と合併して佐渡市となる。旧羽茂町は佐渡島(さどがしま)南部、小佐渡山地の南に位置し、羽茂川が貫流する。国道350号が通じバスの便があり、小木(おぎ)港まで10分。古くは羽茂郡高家(たかい)郷とよばれ、佐渡の一宮(いちのみや)度津(わたつ)神社は佐渡の発祥伝説をもち、海神五十猛神(いそたけるのかみ)を祀(まつ)る。羽茂本郷(ほんごう)は中心買い物町で、県立羽茂高校や羽茂城址(じょうし)がある。羽茂川河口の大石地区には佐渡みその大半を生産する工業団地が形成され、北海道、東北方面に出荷されている。羽茂平野は対馬(つしま)暖流の影響で冬も雪が少なく温暖で、ビワ、ミカン、ツバキが自生する。水稲を中心とし、果樹、畜産、園芸作物などを組み合わせた農業が行われている。川茂(かわも)・村山地区はおけさ柿(がき)の発祥地。
[山崎久雄]
『『羽茂村誌』(1956・羽茂村)』▽『『羽茂町誌』全4巻(1985~1998・羽茂町)』