小木(読み)こぎ

精選版 日本国語大辞典 「小木」の意味・読み・例文・類語

こ‐ぎ【小木】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 芽生えたばかりの小さな木。若生えの木。
    1. [初出の実例]「かかるふしをただにやはすぐすべきとて、此のこぎの生ひ出でし、万代の老木にならんまでの心ばへをよませ給ふに」(出典:順集(983頃))
  3. 低木。灌木。〔羅葡日辞書(1595)〕
  4. 薪として用いる小枝。また、小さく割った薪。
    1. [初出の実例]「御辺たちは山伏の、みねのこぎとるにまなびして」(出典:幸若・笈さかし(室町末‐近世初))

しょう‐ぼくセウ‥【小木】

  1. 〘 名詞 〙 樹木の小さいもの。小樹。
    1. [初出の実例]「は小木の雑木の心ぞ」(出典:玉塵抄(1563)四四)
    2. [その他の文献]〔荘子‐秋水〕

おぎをぎ【小木】

  1. 新潟県佐渡島の南西端にある港町。近世初期佐渡金山の金の輸送港として、また寛文年間(一六六一‐七三)には日本海の西廻(まわり)海運の風待港として、明治初期頃まで栄えた。現在でも南佐渡の玄関口として、直江津とを結ぶ定期航路がひらかれている。

お‐ぎを‥【小木】

  1. 〘 名詞 〙 小さな木。
    1. [初出の実例]「遠山・近山に生ひ立てる大木・小木を」(出典:延喜式(927)祝詞(九条家本))

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「小木」の意味・わかりやすい解説

小木(新潟県)
おぎ

新潟県佐渡郡(さどぐん)にあった旧町名(小木町)。現在は佐渡市の南西端を占める一地区。1889年(明治22)町制施行。1901年(明治34)岬村と合併。2004年(平成16)、両津(りょうつ)市および佐渡郡の相川(あいかわ)町、佐和田(さわた)町、金井(かない)町、新穂(にいぼ)村、畑野(はたの)町、真野(まの)町、羽茂(はもち)町、赤泊(あかどまり)村と合併して佐渡市となる。旧小木町は佐渡島の南西端に位置し、港町として知られる。国道350号が走る。近世初期佐渡金山の金の輸送港として栄え、また寛文(かんぶん)年間(1661~1673)日本海の西廻(にしまわり)海運の風待ち港として諸国の帆船の出入りが多く、明治初期に両津港に越佐(えっさ)航路が開かれるまでは、佐渡の玄関口としてにぎわった。港は城山を挟んで内ノ澗(うちのま)と外ノ澗に分かれた天然の良港で、いまも南佐渡の玄関口として、直江津(なおえつ)港から定期航路が開かれている。旧町域の小木半島全域は佐渡弥彦米山国定公園(さどやひこよねやまこくていこうえん)に指定され、段丘美と溺(おぼ)れ谷の沈降海岸南仙峡(なんせんきょう)とよばれる名勝地で、矢島・経(きょう)島の日蓮(にちれん)遺跡、海潮寺(かいちょうじ)の御所(ごしょ)ザクラ(国指定天然記念物)、蓮華峰(れんげぶ)寺、小木温泉、佐渡国小木民俗博物館など観光地も多い。海藻サザエなどの魚貝採りに使われるたらい舟が名物で、竹細工海産物、おけさ柿(がき)が名産。8月末の小木港まつりで町はにぎわう。

[山崎久雄]

『『佐渡小木町史』上下(1973、1974・小木町)』



小木(石川県)
おぎ

石川県鳳珠(ほうす)郡能登町(のとちょう)の一地区。富山湾に面し、サケ・マス漁、イカ釣りなどの漁業基地。九十九(つくも)湾の景勝地であり、小木温泉があったが現在は利用されていない。鉄道は、のと鉄道能登線(穴水(あなみず)―蛸島(たこじま)間)が通じていたが、2005年(平成17)4月廃止され、現在は代替バスが通じている。

[編集部]

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百科事典マイペディア 「小木」の意味・わかりやすい解説

小木[町]【おぎ】

新潟県佐渡郡,佐渡島の南西端にある旧町。中心市街は近世には佐渡金山の積出港,西回り海運の要港として栄えた。明治以降両津港に繁栄を奪われて衰微。上越市直江津との間に航路が通じる。葉タバコ,カキ,野菜の栽培が盛ん。竹細工を特産。佐渡弥彦米山国定公園の一部。2004年3月両津市,佐渡郡相川町,佐和田町,金井町,新穂村畑野町,真野町,羽茂町,赤泊村と合併し,佐渡市となる。25.96km2。3850人(2003)。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「小木」の意味・わかりやすい解説

小木
おぎ

新潟県西部,佐渡市南端の旧町域。佐渡島南端に位置する。1889年町制。2004年両津市はじめ 1市 6町 2村と合体し,佐渡市となった。中心集落の小木は小さな漁村であったが,佐渡鉱山の開発が進むと慶長年間公津(金移出港)に定められ,小木番所が設置されてから急速に発展。近世には西回り航路の風待ち港としての重要性を増した。明治以後は北東部の両津港が佐渡の表玄関口となり,今日では上越市直江津フェリーで結ばれている。国の重要文化財の弘法堂および金堂を有する蓮華峰寺,国の名勝・天然記念物の小木海岸,縄文時代の長者ヶ平遺跡(国指定史跡),小木海域公園地区などを中心とした佐渡南部の観光地。小木の御所ザクラは国の天然記念物。区域は小佐渡県立自然公園佐渡弥彦米山国定公園に属する。

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改訂新版 世界大百科事典 「小木」の意味・わかりやすい解説

小木 (こぎ)

修験道の中心的儀礼である柴灯(さいとう)護摩(採灯護摩)において用いる護摩木のことをいう。長さは通常1尺5寸(約50cm)である。その種類には削小木,黒小木,雑小木などがあり,それぞれ修験道独特の意味づけがなされている。この小木を取り扱う修験者は,入峰儀礼などにおいてきわめて重要な役目とされる。彼らを小木先達,小木役者と呼ぶが,略してたんに小木と称するばあいも多い。
執筆者:


小木 (おぎ)

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世界大百科事典(旧版)内の小木の言及

【内浦[町]】より

…江戸時代は加賀藩領で,松波には鍛冶町,本組などの町々が形成され,収納蔵,塩蔵などが置かれた。南部の小木は天然の良港で,中世から漁港として栄え,現在も県下有数の漁業基地である。水田に乏しく,戦前は杜氏出稼ぎが多かったが,野菜やタバコの栽培が普及して減少しつつある。…

【内浦[町]】より

…江戸時代は加賀藩領で,松波には鍛冶町,本組などの町々が形成され,収納蔵,塩蔵などが置かれた。南部の小木は天然の良港で,中世から漁港として栄え,現在も県下有数の漁業基地である。水田に乏しく,戦前は杜氏出稼ぎが多かったが,野菜やタバコの栽培が普及して減少しつつある。…

※「小木」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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