日本歴史地名大系 「小倉新道」の解説 小倉新道おぐらしんどう 長野県:南安曇郡小倉新道松本から島内の小宮(しまうちのこみや)を通り、小倉(現三郷村)に出、小倉から鍋冠(なべかむり)山・大滝(おおたき)山を越えて徳沢(とくさわ)を下って上高地(かみこうち)に出、上高地温泉付近から中尾(なかお)峠を越えて飛騨高原郷に出る道をいう。松本から岐阜県吉城郡上宝村までおよそ五〇キロ。この道が開かれたのは天保六年(一八三五)である(「飛州吉城郡中尾村及信州安曇郡小倉江新道通路願之儀伺書」岐阜県立図書館蔵)。天保三年に犀川通船が開通しており、松本を中心に商品流通が盛んになる。文政三年(一八二〇)岩岡(いわおか)村(現梓川村)の岩岡伴次郎・小倉村の中田又重郎・平瀬村(現松本市島内)の猶吉・成相本(なりあいほん)村(現豊科町)の丸山七左衛門・松本伊勢町の飛騨屋平三郎らが中心になり、飛騨側の平湯(ひらゆ)・旗鉾(はたほこ)・根方(こんぼう)・坊方(ぼうかた)・八箇町(ようかまち)などの庄屋に掛け合い、平湯通の郷宿の高山町伊兵衛とともに松本藩の添書をもって新道開削の願書を高山陣屋に提出している。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by