小塔院(読み)しようとういん

日本歴史地名大系 「小塔院」の解説

小塔院
しようとういん

[現在地名]奈良市西新屋町

元興がんごう寺の小塔院跡に所在。真言律宗。本尊虚空蔵菩薩。古くは元興寺内で五重塔を中心とする東塔院に対して小塔堂を中心に小塔院と称した。「続日本後紀」承和元年(八三四)九月一一日条に「僧正伝灯大法師位護命卒(中略)終于元興寺少塔院」とみえる。小塔堂は吉祥天女を祀り、八万四千の小塔を安置し、吉祥堂ともよばれていた(七大寺巡礼私記)。宝徳三年(一四五一)火災で元興寺の諸堂が焼失したあと、しだいに人家が立並ぶようになり、大永五年(一五二五)の御領内元興寺領地口銭帳(内閣文庫)によれば「吉祥堂ノ後」で六軒に一〇間分(一間につき三〇文)の地口銭がかけられている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の小塔院の言及

【元興寺】より

…南都七大寺の一つ。奈良時代建立の元興寺の旧跡を継ぐ寺院は現在,元興寺(旧称極楽坊,真言律宗),元興寺(東塔院址,華厳宗),小塔院(小塔院址,真言律宗)の3寺院に分かれている。元興寺は飛鳥に創建された法興寺(飛鳥寺)に起源をもつ。…

※「小塔院」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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