日本歴史地名大系 「小境保」の解説 小境保こざかいほ 島根県:平田市小境村小境保宍道湖に流入する小境川の形成した河谷からなり、古代の楯縫(たてぬい)郡佐香(さか)郷の一部が、開発によって新たな中世的所領として成立したものであろう。現在の小境町を中心とし、一帯に比定される。南北朝時代以降は小堺郷ともよび、地内には眼病に霊験あるとして広く信仰された一畑(いちばた)寺(現臨済宗妙心寺派)がある。貞永元年(一二三二)九月日の留守所下文(富家文書)に「小境保」とみえ、保内の「喜徳給田五町」を元のように国屋(くや)郷(現松江市)内で「引募」るよう命じている。建長元年(一二四九)六月日の杵築大社造営所注進状(北島家文書)によると当保は相撲を勤仕している。また文永八年(一二七一)一一月日の杵築大社三月会相撲舞頭役結番帳には「小境保二十三丁九反小小境二郎」とみえ、楯縫東(たてぬいとう)郷・楯縫西郷とともに第六番の相撲を勤仕していた。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by