小天(読み)おあま

改訂新版 世界大百科事典 「小天」の意味・わかりやすい解説

小天[温泉] (おあま)

熊本県玉名市,かつての天水町の小天村地区にある温泉熊本市西方金峰山群の一峰,三ノ岳の西麓にあり,西方は有明海に面し,裏山にミカン園が広がるひなびた温泉。単純泉,38℃。明治初期に開かれ,大正~昭和にかけて4~5軒の温泉宿があったが,今は1軒だけとなった。夏目漱石の《草枕》はここを背景にしたもので,当時の建物漱石館となっている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の小天の言及

【天水[町]】より

…ほかに米作,野菜栽培や畜産も行われる。南部の小天(おあま)にある小天温泉は,夏目漱石の《草枕》ゆかりの地で,漱石が泊まった前田案山子の別荘は漱石館として保存されている。【松橋 公治】。…

【金峰山】より

…一帯は金峰山県立自然公園,くまもと自然休養村に属し,名勝旧跡に富む。山の西肩に夏目漱石《草枕》ゆかりの峠の茶屋跡,北西麓に小天(おあま)温泉,西腹に宮本武蔵が《五輪書》を執筆した霊巌洞があり,洞内には岩戸観音がある。テレビ塔が立つ山頂には南北朝時代菊池武重が勧請した大和国金峰山(きんぷせん)の蔵王権現がまつられ,これが山名の由来となっている。…

※「小天」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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