小宮山昌世(読み)こみやままさよ

改訂新版 世界大百科事典 「小宮山昌世」の意味・わかりやすい解説

小宮山昌世 (こみやままさよ)

江戸中期の代官生没年不詳。はじめ源三郎,のち木工進(杢進,杢之進)と称する。字は君延,号は謙亭。辻弥五左衛門守誠(もりのぶ)の四男として生まれ,小宮山友右衛門昌言(まさとき)の養子となった。太宰春台に古学を学ぶ。1721年(享保6)閏7月に幕府代官となる。下総佐倉,小金牧の開墾などにあたり,褒賞されたこともあるが,晩年は不遇であった。《地方凡例録(じかたはんれいろく)》には,辻六郎左衛門守参(もりみつ)とともに〈地方の聖〉としてあげられている。著作に《田園類説》(谷本教著作説もある),《謙亭筆記》《享保通鑑》などがある。
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朝日日本歴史人物事典 「小宮山昌世」の解説

小宮山昌世

没年:安永2.閏3.20(1773.5.11)
生年:生年不詳
江戸中期の儒者,幕臣。字は君延,通称杢之進,謙亭と号した。江戸小石川に住む。太宰春台の門人。将軍徳川吉宗の命を受け,検地に関する書物『正生録』を書き,また佐倉小金(千葉県佐倉市)の開墾によって賞せられるなど,農政や経済の分野の専門家として活躍した。享保6(1721)年から代官職に就き,良吏として評判も高かった。代表的な著作に『田園類説』『地方問答書』『享元聞見志』『東都事略』などがある。<参考文献>大石慎三郎享保改革経済政策』増補版

(小島康敬)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「小宮山昌世」の解説

小宮山昌世 こみやま-まさよ

1689-1773 江戸時代中期の武士
元禄(げんろく)2年生まれ。幕臣。太宰春台(だざい-しゅんだい)にまなぶ。幕命により下総(しもうさ)佐倉(千葉県)小金を開墾。享保(きょうほう)9年甲斐(かい)(山梨県)石和(いさわ)の初代代官となる。農政家として知られ,「田園類説」「地方問答書」などをあらわした。安永2年閏(うるう)3月20日死去。85歳。本姓は辻。字(あざな)は君延。通称は杢之進。号は謙亭。

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世界大百科事典(旧版)内の小宮山昌世の言及

【享保通鑑】より

小宮山昌世(まさよ)(謙亭)の著。20巻および増補からなる。…

※「小宮山昌世」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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