小嶋郷(読み)おじまごう

日本歴史地名大系 「小嶋郷」の解説

小嶋郷
おじまごう

現本庄市小島・小島一―六丁目・小島南一―四丁目付近に比定され、元小山もとこやま川流域に位置する。文明一八年(一四八六)東国巡遊の旅に出た聖護院道興は、同年八月に上野国いたづら野(現群馬県藤岡市)あゆ川、および上野・武蔵国境の神流かんな川などの名所をめぐり、「おしまの原といへる所にやすみてよめる」として、「けふ爰におしまか原をきてとへはわか松しまは程そ遥けき」と詠じている(廻国雑記)。この「おしまか原」は小嶋郷のことであろう。天正一一年(一五八三)九月二三日の北条氏邦印判状写(「吉田系図」吉田久子氏蔵)によれば、農民を「小嶋台」に還住させることが吉田政重に命じられている。同一六年五月七日の猪俣邦憲判物(写、諸州古文書)では、政重の旧領である小嶋郷一〇〇貫文の知行が息子の吉田真重に安堵され、その軍役着到は騎馬一騎・鉄砲一挺など一〇人と定められている。


小嶋郷
おじまごう

和名抄所載の郷。同書東急本・名博本・元和古活字本に小嶋・小島とあるが、高山寺本は「小鴨」とする。「風土記稿」は小嶋郷を採り、現本庄市の小島の地に比定し、「日本地理志料」「大日本地名辞書」もこれに従っている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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