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所務 しょむ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

所務
しょむ

もとは職務役目を意味したが,荘園制のもとでは所領からの収益,あるいはまた年貢公事など税徴収権の行使事実をいう。

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デジタル大辞泉の解説

しょ‐む【所務】

つとめ。役目。
中世、職務またはそれに伴う得分

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世界大百科事典 第2版の解説

しょむ【所務】

おもに中世の歴史用語。本来は年貢徴収など,荘園所職(しよしき)の事務や義務を意味したが,時代によって意味は以下のように変化した。(1)務め,役目,仕事,年貢徴収。〈所務,ショム,年貢の取立て〉(岩波版《邦訳日葡辞書》)。(2)その後転じて職務にともなう得分(とくぶん)をも意味した。(3)さらに,得分の主たる内容としての年貢などの貢租の意味に三転した。〈所務,ショム,年貢の義也〉(《文明本節用集》)。

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大辞林 第三版の解説

しょむ【所務】

つとめとする事柄。つとめ。やくめ。
中世、荘官などの職務。また、それに伴う得分。荘務。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

所務
しょむ

本来は、職務・仕事の意味。『日葡辞書(にっぽじしょ)』では、「年貢の取り立て」とあるように、中世の荘園制下、所領における年貢徴収などの管理とそれに伴う権利・義務を指す。また荘園所職(しょしき)の得分(とくぶん)権化により、職務に対する得分を意味するようになった。その後、『文明節用集』に「年貢の義也」あるように、得分の主たる内容である年貢などの貢租(こうそ)の意味となる。近世には、財産・遺産の意味に用いられた。[松井吉昭]
『佐藤進一著『鎌倉幕府訴訟制度の研究』(1993・岩波書店)』

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世界大百科事典内の所務の言及

【年紀法】より

…しかし鎌倉末期以後はこれらにもしだいに拡大適用されていき,普遍的法理となって,戦国大名の分国法にも受けつがれた。しかしその反面,武士の場合であっても〈地頭所務は年紀に依らず〉という原則があって,地頭が荘園から年貢を徴収し,自分の取り分を差し引いて残りを領主に納入する職務(=所務)に関しては,何年それを懈怠(けたい)し私物化しようとも,時効にかからず,過去の分を弁済し,将来にわたっても所定の納入義務を遂行しなければならなかった。近世に入ると,武士の所領はすべて上位権力からの恩給地となったので,時効の法理が働く余地がなくなり,また農民の田畑は検地帳登録者が所有者とみなされたので,年紀法の存続する余地が失われた。…

※「所務」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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