小杉御厨・小杉郷(読み)こすぎのみくりや・こすぎごう

日本歴史地名大系 「小杉御厨・小杉郷」の解説

小杉御厨・小杉郷
こすぎのみくりや・こすぎごう

神鳳鈔」に駿河国内の御厨として「小枌御厨」とみえ、大同元年(八〇六)の時点で伊勢神宮の外宮を本所とすることが決められている。また久寿元年(一一五四)と推定される官宣旨(兵範記仁平四年夏巻裏文書)によると、小杉御厨は駿河国で最初に成立した御厨であるにもかかわらず、国司が伊勢神宮領である小杉御厨を収公しようとしていた。文治元年(一一八五)一〇月一四日、源頼朝は後白河法皇の同年九月二四日の院宣により「当国小杉御厨」への諸役免許を遠江守であった安田義定に命じている(「吾妻鏡」同年一〇月一四日条)。この当国とは遠江国で、小杉御厨は駿河・遠江の国境であったことから、一二世紀後半には遠江国という認識が広がりつつあったといえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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