小松真一(読み)コマツ シンイチ

20世紀日本人名事典 「小松真一」の解説

小松 真一
コマツ シンイチ

昭和期の醸造技師 「虜人日記」の著者



生年
明治44(1911)年9月13日

没年
昭和48(1973)年1月10日

出生地
東京日本橋横山町

学歴〔年〕
東京農大専門部農芸化学科〔昭和7年〕卒

経歴
大蔵省醸造試験研修員から昭和14年台東製糖入社、15年工場長。18年明治製糖と合併。19年陸軍嘱託としてフィリピン全ビザヤ地区砂糖・酒精工場指揮主任官となってネグロス島赴任、ブタノール研究所設立に当たった。20年3月、アメリカ軍上陸で山中退却、5カ月間彷徨の後、敗戦レイテ島ルソン島捕虜収容所に収容された。この間に「虜人日記」を書き、骨壼に入れて帰国した。30年間、銀行の金庫に保管されていたが、死後1周忌に自家出版されて公刊。戦時下の日本人の見事な記録で、50年度毎日出版文化賞を受賞した。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「小松真一」の解説

小松真一 こまつ-しんいち

1911-1973 昭和時代の醸造技術者。
明治44年9月13日生まれ。大蔵省醸造試験所研修員などをへて,昭和19年陸軍嘱託としてブタノール研究のためフィリピンのネグロス島に赴任。太平洋戦争でアメリカ軍の捕虜となり,レイテ島,ルソン島で収容所生活をおくる。昭和48年1月10日死去。61歳。その手記「虜人日記」が死後刊行され,昭和50年毎日出版文化賞。東京出身。東京農大卒。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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