小波田村(読み)おばたむら

日本歴史地名大系 「小波田村」の解説

小波田村
おばたむら

[現在地名]名張市上小波田かみおばた下小波田しもおばた桔梗が丘ききようがおか五番町・同八番町・美旗みはた池の台東いけのだいひがし

伊賀郡南西部にあり、滝之原たきのはら村より北流する小波田川が村の中央を流れる。近世には上下二村に分れ、上小波田村の北に下小波田村が位置する。「宗国史」には上・下小波多村とある。

「古事記」安寧天皇段に、天皇の三男師木津日子命の二子のうち一人が「三野稲置の祖」とあり、この三野は上小波田の地という。「日本書紀」持統天皇三年八月一六日条にみえる「伊賀郡の身野」も美濃みの原あるいは小波田野とよばれた小波田・中村なかむら新田しんでん一帯の地を意味するという。この辺りは古墳の群在地の南端にあたり、南伊賀における早期開発地域であったと推量される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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