き‐きょう〔‐キヤウ〕【×桔▽梗】
1 キキョウ科の多年草。日当たりのよい山野に生え、高さ約1メートル。葉は長卵形で、裏面がやや白い。8、9月ごろ青紫色の釣鐘形の花が咲く。つぼみのときは風船状をなし、花びらの先が5裂して開く。園芸種には白色花や二重咲きのものもある。秋の七草の一。根は漢方で薬用。おかととき。ありのひふき。きちこう。《季 秋》「かたまりて咲きて―の淋しさよ/万太郎」
2 襲(かさね)の色目の名。表は二藍(ふたあい)、裏は青。きちこう。
3 「桔梗色」の略。
4 紋所の名。キキョウの花をかたどったもの。
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ききょう【桔梗】
漢方薬に用いる生薬(しょうやく)の一つ。キキョウ科キキョウの根を乾燥したもの。サポニン、ビタミンAなどを含み、去痰(きょたん)、鎮咳(ちんがい)、排膿(はいのう)、血管拡張などの作用がある。扁桃(へんとう)炎、咽頭(いんとう)炎に効く桔梗石膏(せっこう)、扁桃炎、咽頭炎、気管支炎に効く桔梗湯(とう)、化膿(かのう)性の腫(は)れ物や湿疹(しっしん)に効く十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)などに含まれる。
出典 講談社漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典について 情報
桔梗 (キキョウ・アリノヒフキ;キチコウ)
学名:Platycodon grandiflorus
植物。キキョウ科の多年草,園芸植物,薬用植物
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報
き‐きょう ‥キャウ【桔梗】
〘名〙
① キキョウ科の多年草。山野の日当たりのよい草地に生え、観賞用に栽培もされる。高さ〇・五~一メートル。茎を切ると白い乳液が出る。根は多肉で太く、黄白色。葉は互生し、長さ五センチメートル内外の長卵形で先はとがり縁に鋭い鋸歯(きょし)があり、裏面はやや白色を帯びる。八~九月、茎や枝の頂に直径四~五センチメートルの青紫色の花を一~三個開く。花冠はやや浅い鐘形で先端は五裂して開く。萼(がく)は緑色で浅く五裂する。おしべは五本、めしべは五本で先端は五裂する。果実は熟すると先端が五つに裂ける。漢方では根を煎服して袪痰(きょたん)・肺炎・中耳炎薬などにする。また、若苗と根は食用にもなる。秋の七草の一つ。園芸品には二重咲き、白花品などがある。ありのひふき。あさがお。おかととき。きちこう。《季・秋》
※村上御集(967頃)「六月のつごもりに給へりける御返しを桔梗につけて」
③ 襲(かさね)の色目の名。表は二藍(ふたあい)、裏は青。きちこう。
※栄花(1028‐92頃)音楽「ききゃう・萩などの織物」
④ 紋所の名。ききょうの花をかたどったもので、桔梗、陰桔梗、三つ割桔梗、花桔梗、抱き桔梗、龍胆(りんどう)桔梗などの種類がある。
きち‐こう ‥カウ【桔梗】
〘名〙
※古今(905‐914)物名・四四〇「きちかうの花、あきちかうのはなりにけり白露のおけるくさばも色かはりゆく〈紀友則〉」
※栄花(1028‐92頃)根合「きちかうの表著、女郎花の唐衣」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報