小石見城(読み)こいわみじよう

日本歴史地名大系 「小石見城」の解説

小石見城
こいわみじよう

大陣平おおじんびらに築かれた標高約一四〇メートルの砦とされるが、遺構も残らず詳細は不明。南北朝期、石見国南朝勢力の拠点であったとされ、三隅氏の将井村兼雄などが拠っていたという。暦応四年(一三四一)一〇月一三日の上野頼兼軍勢催促状(吉川家文書)に「小石見城」とみえ、上野頼兼は吉川次郎三郎(経明)に対し当城に馳向うよう命じている。石見国の南朝方攻撃のため、同年七月に安芸国大朝新おおあさしん(現広島県大朝町)に集結した北朝方の軍勢は、奥原、宇津木多和(雲月山か)を経て石見に入り、河上かわのぼり(現江津市)大多和外おおたわげ(現三隅町)を落し、八月から福屋ふくや城を取巻き攻撃の最中であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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