日本歴史地名大系 「小結棚町」の解説
小結棚町
こむすびだなちよう
中京区新町通錦小路下ル
南北に通る
平安京の条坊では、町の西側は左京四条三坊二保四町東、東側は同五町西。平安中期以降は四条町尻小路の北にあたる。
元亀二年（一五七一）の上下京御膳方御月賄米寄帳（立入宗継文書）には下古京中組に「こゆいの棚町」があり、また天文六年（一五三七）正月三日の記録に、室町殿年頭拝礼の入目を中組が負担している（「年頭御拝礼参府濫觴之扣」六角町文書）。更に応仁の乱以前より祇園会には当町付近から放下鉾を出した。
寛永一四年（一六三七）洛中絵図には「こひノ棚丁」とあるが、寛文後期洛中洛外之絵図に「こゆひノ棚町」とある。寛文末洛中洛外大図は「鯉棚町」とあてている。町名そのものは変化がなかったと思われるが、元禄九年（一六九六）、正徳・享保間京大絵図には「こまいたな町」とある。
当町を「小結棚」とよぶについては、「京羽二重織留」（元禄二年刊）に、「小結ゑぼしを造る者いにしへ新町四条に有、其所を小結の棚と云今あやまり恋の棚と云」とみえる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報